髪を洗いながら、
頭蓋骨の中をイメージしてみる。
脳が入っている。
脳が動かない。
深呼吸する。
電気信号?が光っているのがほんやり見える。
脳を揺らしてみる。
まだ、動かない。
深呼吸する。
手羽先の肉を骨から外すように、頭蓋骨から脳を剥がしてゆく。
なかなか手強い。
姿勢を、そう、私のこのうつわを立ててみる。
会陰から脳へ柔らかく繋がる。
頭蓋骨から頬を手のひらで包んでゆく。
あれ?この頬の下には何があるのだろう。
脳はどの辺まであるのだろう。
眼球の繋がり部分を意識してみる。
目は閉じたまま。
目の奥。
目の玉。
頬の下に骨がない。
この皮膚は頭上で結ばれている。
深く呼吸する。
いや、まだ深くない。
固い。みぞおちが固い。ゆっくり手で包む。
今はまだそこでいい。
私の何か、大切な。何かなはずの、今はまだ固い何か。
それでいい。
頭蓋骨に手を戻す。
脳。
潜在脳とか言うけれど、あの脳かたちは消えいく。
松果体?
石灰化してるんだって。
そうなの?
揺らしてゆく。揺らしてゆく。
手は動かさない。
揺れ。奥。光。
呼吸する。
目蓋を開けると、とてもクリアに。
メンソールのような。
輪郭。