粒子
僕らはきっと粒子の集まりなんだろう。
この粒子は本来形を成していない。
いつからから、この形になったのだろう。ひとりひとり身体を持つようになった。
それは僕が見た肉体であり、水槽の脳のように、君が見ている肉体とは全く違う形態なのかもしれない。
いつの間にか、この形はガチガチになって、それは法なのか宗教なのか道徳なのか何か脳に貼り付けられたものを、ずっと見ている。
わずか数パーセントの脳の部分で。
僕らは本当は粒子だ。
空間も時間も自由に飛び越えている。
その木々もそのエアコンも粒子として、動き生きている。
粒子は混ざり合ってひとつになる。
未来も過去もない。
不安になることも後悔することも何もない。焦ることもない。時は混ざりながら常に溢れている。
今、
僕の粒子は今の僕の中へ中へと戻り、僕は僕の中心を知ろうとする。
そしてその中心を通って、循環してゆく。
全てはここにある。
全てはここにある。
僕は僕を楽しませる。何よりも。
その粒子が渦になって溢れてゆく。
おやすみなさい。