僕がいっぱいいる 2
それからのちっちゃい僕と僕の生活は、僕を限りなくうんざりさせた。
はしゃぎっぱなしの奴は部屋中を走りまわり、壁に穴をあけるし、夜になると起きだしておもむろにゲームをしだす奴もいるし、かと思うと部屋の隅で瞳が乾くほどに宙を見つめ続けてる奴・・・切りがない。
これが全部。僕。
ふう。
これから行くね。
ヨークシャテリアと野良猫を混ぜたような僕の彼女が、電話口で言う。
あ、いや、今日はいいよ。
なんで?どうしたの?
なんだってそんなに「?マーク」が君のなかにはあるんだろう。
あ、いや別に。
?
無言の「?」だ。
もてあましてるんだよ。
誰を?わたしを?
違うよ。
まいったな。
僕をもてあましてるんだよ。
僕はそう言葉に出してみて、そしてため息をついた。
そう、僕自身をもてあましてるんだよ。
意味わかんない。
耳元にちっちゃい僕らが集まってきて聞き耳をたててる。
とにかくはそんな時もあるんだよ。
僕はそう言って彼女の電話を切った。
(続けてみます)