unconscious 脳

完成しない何かを書くADHD脳の片付かない本棚~Energy is circulating

「エンドレスキューブ」2

ギャラリーは白い壁に面積を失っている。照明は影をも照らし出している。遠く白髪の老人がいる。
一つの彫刻の前に私は立っている。存在が変化でしかないならば、これは果たして「ある」のだろうか。
これらは私の中に入り、或は私が入って行って、同化する。空間から孤立してゆく。
ごく細い、触れたらすぐに崩れそうなその彫刻にさえ、強靭な影は伸びる。人というよりは骨。ある、しんのところ。
その息苦しさに頭を振った。知らず、痩せた鎖骨に触れていた。
雨が降っていた。