unconscious 脳

完成しない何かを書くADHD脳の片付かない本棚~Energy is circulating

2020-03-11から1日間の記事一覧

「逃亡」2 ゆっくり

ゆっくり」という文字はなんてゆっくりとしているのだろう。「ゆ」の一度止まってくるっとまわる包み込むような優しさ。「り」の木々を渡る風のような優しさ。もちろん「ゆ」と「り」の流線が、私たちを心地よい安眠に誘うのだが、この小さい「っ」が、ある…

「逃亡」1 ふりかえると

そこはアフリカだった。 そう、あの日からだ。私のお腹が痛くなったのは。 新しく入った須田さんです、と紹介された時は正直自分の目を疑った。その顔がちょっと尋常ではないのだ。一体どれだけ尋常でないかというと、ほのかに今後の身の上を案じなければな…

天然破壊

天然破壊してしまう 知らないうちにだよ あれこれ壊れてる 何か投げ飛ばしたりするわけじゃないんだけど だってさ、カテゴリーがないからしようがないと思うんだよ 色だってもう表現できないんだ ねえ、それほんとに青? 透明だってさ、酸素の量で変わるんだ…

「エンドレスキューブ」5

放置された画材。破れたままのキャンバス。それはひとつのオブジェのように見える。そう、長野はオブジェにしてしまったのかもしれない。ある、優越をどこかに感じながら。だが、見つめることも、触れることも出来ない。それを背にして、煙草を吸った。 日曜…

「エンドレスキューブ」4

夢を見ていた。狩野の背中があって、女がいる。私の横顔が手前にある。夢の中の私は、泣いていない。まるで。夢の自分と肉の自分が、引き裂かれて、悲鳴のように泣き叫んで起きた。狩野の背中。いや誰の。 大学には行かなくなった。たぐりよせる夜が続いてい…

「エンドレスキューブ」3

クラブの壁は真っ黒に塗り込められている。長野が、黒のペンキをぶちまけて絶叫し、狂ったように黒を塗り続けた。地下へ降りる階段。群れているやつら。視線。そこにドアがある。開けた瞬間に鼓動は侵される。空気は膨張するように充満している。一定のリズ…

「エンドレスキューブ」2

ギャラリーは白い壁に面積を失っている。照明は影をも照らし出している。遠く白髪の老人がいる。一つの彫刻の前に私は立っている。存在が変化でしかないならば、これは果たして「ある」のだろうか。これらは私の中に入り、或は私が入って行って、同化する。…

「エンドレスキューブ」1

――けしの花。咲いた次の日に散ってしまうの。白は「忘却」赤は「妄想」。手は、青白く揺らぐグラスを滑り床に落ちる。夜は気だるく目暈のような夏の太陽の影だ。長野は灰色と同化している。壁に背中を押し込めて。――ジリジリする、肺。ねぇ、もう吐いちゃっ…

「断層」7 取調室

お前が殺したんだろ。 女の目の前には、一枚の写真が置かれている。スーツを着た若い男。ネクタイはしていない。胸元、肌が見える。茶髪。真っすぐに立ったつもりらしいが、少し右肩が傾いている。警察署で撮られたものらしい。初めて見る写真だが、確かにこ…

はじめまして

書かなきゃと思ったんだ もう、書くことなんてしてなくて大学生の頃あたりが一番書いてたかな 特有の怠惰と焦燥に苛まれながらね 紙にもネットにも色々書いてたんだ すべてか未完になる 手をつけては最後までいかない まあ、ADHDなんだと自覚してるし、そう…

子宮なの

あわわわわ pic.twitter.com/jXzyiL46yi— ししい (@co_shishi) 2020年2月6日 まるまる pic.twitter.com/eY8C4IUohF— ししい (@co_shishi) 2020年2月12日 ねえ、わかる? あの円は子宮なの そこら宇宙へつながるの だれも脳からはみ出さないから いや、まて …